[Linux-ha-jp] drbdデュアルプライマリーでの運用について

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Motoharu Kubo mkubo****@3ware*****
2013年 6月 29日 (土) 00:46:30 JST


久保と申します。

まず、デュアルプライマリの一般的な留意点をコメントします。

基本的に、DRBDのデュアルプライマリは一見魅力的で、かつ適切に使えば効果的
なのですが、DRBD通信が切れたときにただちにスプリットブレインになってしま
うという、実運用上は嬉しくない原理的な制約を持っています。

スプリットブレインが発生したら、どちらか一方のデータを捨てて他方のデータ
で同期しなおすしかありません。

赤松さんが指摘しておられるように、GFS2やocfs2を使っていたとしても、両系
で同時に書き込みを行っているときにDRBD間の通信が切れてしまったら、片方の
データを失うことになります。これって、非常に使いこなしが難しいことを意味
しています。

デュアルプライマリを採用する場合には、シングルプライマリですませる方法を
十二分に検討し、それが無理だとわかった上で、さらに上記の制約を十分に考慮
して、採用してください。

さて、川瀬さんの要件についてコメントします。

赤松さんの「1系」、「2系」という定義を使わせていただきます。

>  4. 2系で運用中、1系が起動したら 1系と 2系でデータ同期を
>    どうしようかと悩んでる...。
> 
>  もし上記の通りなら 1系が組み込まれる時に 2系とのデータ同期を
>  明示的行えばよいだけだと思うのですが...。
>  その手順が判れば、なにもデュアルプライマリする必要は無い
>  ですよね。

1系が復活したら、単にDRBDの接続を再開すればいいだけです、と言いたいとこ
ろなのですが、その前にデュアルプライマリで運用していたならば、確実にスプ
リットブレインになっています。

したがって、1系のDRBDを起動したら、1系側で

drbdadm -- --discard-my-data connect <リソース>

を実行する必要があります。2系がcs:StandAloneになっていたら、2系でも

drbdadm connect <リソース>

を実行します。2系のデータを正本として2系から1系に対する同期が始まります。

その後デュアルプライマリモードに移行したければ、1系もプライマリに切り替
えればいいでしょう。

>  ちなみにデュアルプライマリをするなら、その上は ext3,ext4 では
>  ダメですよ。
>  ocfs2, GFS, GlusterFS 等でフォーマットする必要があります。
>  (そうじゃないとデュアルプライマリの意味が無いかと)
>  そしてこれらは DRBD と比べて総じて遅いです。

デュアルプライマリのデータ領域をLinuxネイティブのファイルシステムで管理
する場合は、赤松さんが指摘しておられるとおりです。

しかし川瀬さんはDRBDのレプリケーション領域をiSCSIターゲットに管理させ、
Windowsのイニシエータからアクセスするプランのようですので、一般的には
NTFSあたりが使われるのではないかと思います。

そして川瀬さんの
> 2.ソース側が潰れた場合は、ターゲットのOS(Windows2008R2)からの操作のみ
> でターゲット側をmountする。
を実現するには、日常的に「1系」と「2系」の両方でiSCSIターゲットを起動し
ておく必要があるでしょう。

NTFSもクラスタファイルシステムではないので、1系側のWindowsがアクセスして
いる間は、**絶対に**2系側でWindowsイニシエータからアクセスすることが
ないよう、万全な管理を行う必要があります。もしも両系でWindowsから同時に
アクセスしてしまったら、最悪ファイルシステムがぶっ壊れてしまうことになり
ます。


-- 
久保  元治             (株)サードウェア
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