MathPlayer や MathML に対応する数式の読み上げと点字出力
以下、本家のテスト版で確認したこと:
Beta support for Math Available to NVDA Users http://community.nvda-project.org/blog/NVDAMathBeta
ここには MathPlayer 4 beta が紹介されている。
* MathPlayer 4 beta + IE11 * Firefox
の両方で数式サポートの動作を確認できている。
例えば
http://www.w3.org/Math/XSL/csmall2.xml
をひらいて数式のところで NVDA+alt+m を押すと、数式ナビゲーションのモードになり、 式を構成する要素をひとつずつ確認したり、 階層を上がったり下がったりできる。
数式ナビゲーションのモードでは点字ディスプレイには Nemeth コードが表示される。
この作業はまだ本家 next にさえマージされていない。
本家のチケット: http://community.nvda-project.org/ticket/4673
このチケットはとりあえず本家の実装を日本語版にちゃんとマージできるまでの作業を扱う。
本家 2015.2 に数式サポートが入ったので、日本語版の説明になにかコメントをしておきたい。
対応している点字表記が Nemeth コードであることなど、補足が必要と思われる。
数式読み上げをサポートするために en/symbols.dic の変更が行われる見込みで、 数学記号の読み上げレベルなどが変更される。
http://community.nvda-project.org/ticket/3799
一部の変更は 2015.2 ですでに実施済み、一部は 2015.3 に持ち越しか。
日本語の symbols.dic は記号読み上げレベルを無指定にすれば、 英語のレベルがそのまま引き継がれるが、 わざわざ指定しているものが大半なので、追従してなにかする必要があるかも。
2015.2jp に向けては #35208 NVDA の言語が日本語のときに数式コンテンツの操作ができない の検討をしましたが、暫定的な対策だけで手一杯でした。
対話的ナビゲーションがちゃんと日本語で動かないのは、本当に MathPlayer の実装の制約なのか、要検討。
数式読み上げは日本語対応も含めて MathPlayer の中で実装されているので NVDA からは手を出せないようです。 MathPlayer 4 の正式版がリリースされたら再評価したいと思います。
このチケットはいったんマイルストーンを解除します。
#35208 で報告した現象ですが、 下記を NVDA 2015.2jp + MathPlayer 4.0beta1 + Firefox で閲覧すると、 「数式を英語で読み上げる」をチェックなしにしても、 NVDA+Alt+m で数式操作モードに入り、左右や上下の矢印キーで移動できています。
https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Mozilla/MathML_Project/MathML_Torture_Test
「数式を英語で読み上げる」チェックなしのときに JTalk が「2乗」を「に の」と読み上げている。 「乗る」の「乗」で「の」という単漢字読みが付与されているらしい。
エックス の 2 乗 ワイ の 2 乗
「エックス の に の ワイ の に の」と読み上げられるので、非常に使いづらいと思われる。
JTalk の改良作業のついでに調べたら、 いままで nvdajpmiscdep の辞書に「乗」という単漢字が登録されていなかった。 次のリリースから「乗」は単漢字で「じょう」と読むようになるはず。
MathPlayer や MathML に対応する NVDA での数式の読み上げと点字出力が進んでいることが、 本家から発表されました。
http://community.nvda-project.org/blog/NVDAMathBeta
http://www.dessci.com/en/company/press/releases/150305.htm
本件は日本語化に関していろいろ課題がありそうなので、 とりあえずチケットを作り、検討を始めたいと思います。
この MathML 対応は音声や点字に関わる基本的な機能の再設計が関わっています。
NVDA の将来にとって重要な作業です。