[Tomoyo-dev 80] Re: 現在の状態について

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Toshiharu Harada harad****@gmail*****
2007年 3月 31日 (土) 17:56:28 JST


原田です。こんにちは。

07/03/28 に Tetsuo Handa<from-****@i-lov*****> さんは書きました:
> TOMOYO 1.3.1 まではネットワークに繋がったサービスを保護する用途が中心でしたが、
> TOMOYO 1.3.2 からは keep_domain と no_keep_domain と path_group を組み合わせることで
> ログイン後の操作を制限する用途でも使いやすくなっています。

ドメインの概念はTOMOYO Linuxの基盤となります。ドメインの
遷移を制御するための機能が追加されことにより、よりニーズに近い
設定を行うことが可能になりましたが、反面ややわかりにくく
なったかもしれないと気になっています。Software Design誌の
連載第3回では、ドメインについて解説していますので、是非
お読みください。最初は簡単なパターンから初めて、徐々に
keep_domainなどを必要に応じて使うようにすると良いと思います。

> 4月からの予定は http://d.hatena.ne.jp/keyword/TOMOYO%20Linux にあります。
> まずは4月中旬のアメリカのサンフランシスコで行われる
> CELF Embedded Linux Conference 2007 への準備をしなければなりません。
> また、6月末のカナダのオタワで行われる Linux Symposium 2007 への準備も
> しなければなりません。詳しくは原田さんから説明があると思いますが、
> こんな調子なので4月に入ってからもドタバタ続きになることが予想されています。
> 気長にお付き合いいただければ幸いです。

TOMOYO LinuxはセキュアOSの関係者の間でこそ、徐々に
知られるようになりましたが、まだまだ普及しているとは言えません。
特に国外ではこれまで論文等書いていないので無名です。搭載されている
ディストリビューションはありませんし、商用での利用についても
話を聞きません。オープンソースにはなっていますが、開発元である
NTTデータの手を離れると独り立ちできない状態です。

私はオープンソースプロジェクトとしてのTOMOYO Linuxの
マネージャであると同時に、NTTデータのプロジェクトとしての
TOMOYO Linuxのマネージャでもあります。前者の立場としては、
TOMOYO Linuxをもって知って利用してもらうこと、
国内だけでなく海外に向けても紹介し、メインライン提案を行うこと、
NTTデータに依存しない開発の実現を目指しています。
後者の立場としては、まずTOMOYO Linux自体が商用システムや
ビジネス目的で利用できる状況を実現しなければなりません。
私はTOMOYO Linuxを世に送り出したNTTデータという会社が
そのことにより適切な評価やビジネス面での利点も持つべきだと
思っています。それはTOMOYO LinuxやNTTデータに限定した
ことではなく、企業としてのオープンソースの取り組みが
成立するためには必要だと思うからです。

やるべきことは文字通りやまほどありますが、一歩一歩
できること、やらなければならないことを重ねて進んでいきます。
次の一歩は国外へのデビューで、それが4月のELC2007であり
6月のOttawaです。

-- 
Toshiharu Harada
harad****@gmail*****




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