[tomoyo-users 22] Re: セキュリティ強化 OS によるログイン認証の強化手法 (CERBERUS) について

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Toshiharu Harada harad****@gmail*****
2005年 11月 20日 (日) 05:01:08 JST


長迫さん、

20 Nov 2005 02:37:12 +0900 に
tmyus****@mail*****<tmyus****@mail*****> さんは書きました:
> とりあえず、今後の目標は、ポリシーを一通り書いて動かすことです。
> (実は、まだ環境を作ってる最中でカーネルのコンパイルも終わっていません)

TOMOYO Linuxは使い始めると比較的容易に管理できるのですが、
ポリシーを学習し、それに基づいてアクセスを制御するまでの
環境構築がSELinux等より難しいことに気がつきました。

情報としては、http://tomoyo.sourceforge.jp/ にある内容で
提供されていますが、利用者およびこれから導入してみようと思う人に
とっての指針が不足していますし、(情報が多いが故に)行うべき手順が
見えにくくなっています。この状況を改善するために、現在、
TOMOYOカーネルの構築から最初のポリシー学習とアクセス制御を行う
までの流れの資料化を行っています。

> >学校から https アクセスができるのであれば、
> >投稿用にWebメールのアカウントを用意するのが良いと思います。
>
> 一応、用意していたのですが、冷やかしでMLに参加しているつもりはないので、
> フリーメールは信用性に欠けると思い、本名を明記し信用性のあるアドレスで
> 参加させてもらいました(色眼鏡なしで、純粋にTOMOYOに期待しています)
>
> しかし、結果的に余計な手間を掛けさせてしまったことをお詫びします。

ありがとうございます。私も一切の偏見を持ちませんから、
ご都合の良い形態で参加下さい。

> >root のログインシェルを falsh にして、
> >全員が root としてログインしてもらいます。
> >ここまではドメイン遷移は共通です。
> >その後で役割に応じて異なる追加の認証プログラムを
> >実行することでドメイン遷移を分割することができます。
> >例えば、
> >「ログインシェルから honey を実行するとWebサービスの管理だけが行なえる」
> >「ログインシェルから candy を実行するとFTPサービスの管理だけが行なえる」
> >みたいな使い方です。

元のメールが送信された際に説明を補足しようかと思ったのですが、
honey, candy, groovyについては、あくまで「セキュリティ強化OSによる
ログイン認証の強化手法」の「実装例(サンプル)」として、TOMOYOのリリースに
含まれているプログラムの名前であり、TOMOYO Linuxの固有の
名称ではありません。サンプルなので、それらのファイルを削除しても
TOMOYOは構築、利用できますし、違う名前にしても他の
identifierの名前を変更するような影響は生じません。

これは私の考えなのですが、個別の名称を持つ必要のないものに
こうした個別の名前を持たせるべきではないと思っています。
honey, candy, groovyは、auth1, auth2, auth3のような
名前が本来ふさわしいのです。実際、Linux Kernel Conference 2005で
講演を行った際には、デモの中でauth1, auth2, auth3の名前で
操作、ポリシーの説明をしています。

> >これが(日経IT Proさんの記事には登場しませんでしたが)
> >開発コード YUE (Your User-role Enforcer の頭文字)です。
> >Linux Conference 2005 の論文の中でちょこっとだけ触れられています。
>
> >追加の認証を直列に配置すれば CERBERUS 、並列に配置すれば YUE になります。
>
> 非常に分かりやすい説明有り難う御座います。
>
> しかし、逆を言えばTOMOYOでは、「プログラムを実行するたびにドメイン遷移を行なう」ので、
> 「su」コマンドは、事実上使えないと言う事でいいんですよね?
> (まぁ、それぐらいの制約があっても不便だとは思いませんが)

SELinuxでは、一部ユーザランドのプログラムをSELinux対応に
置き換えていますが、TOMOYO Linuxについては特にそのような必要が
ありません(これもTOMOYO Linuxの特徴のひとつです)し、特に制約も
存在していません。「suコマンドが事実上使えない」という意味が
よくわからないのでもう少し説明いただけませんか?

> あと、開発コードSAKURA,TOMOYO,CERBERUS,YUE の「正式名称」は分かったのですが、
> SYAORANの「正式名称」をよければ教えてください(笑

(>_<)
「正式名称」ですが、TOMOYO Linuxおける「正式名称」はTOMOYOだけです。
半田からのメールに「CERBERUS という開発コードの正式名称は論文の
タイトル欄に英語で書かれています」とありますが、これは正しくは
「CERBERUS という開発コードの略称の意味は論文のタイトル欄に
英語で書かれています」が正しいです。ここで言う論文とは、
情報学ワークショップ2005で発表した「セキュリティ強化OSにおける
ログイン認証の強化手法」のことを指しており、確かにその論文の
英文タイトルは「Chained Enforceable Re-authentication Barrier Ensures
Really Unbreakable Security(連鎖して執行可能な認証による破れない障壁)」と
なっていますが、私としてはCERBERUSをTOMOYO Linuxの
「正式名称」の一部として認定したつもりはありません。

という事を言い出すと、「正式名称とは何か?」という非常に難しい話に
なってしまうのですが、私は「人々に対象を指す言葉として広く認知され、
かつ主体によりオーサライズされた言葉」だととらえています(今このメールを
書きながら考えた説明です)。TOMOYO Linuxプロジェクトにおいては、
一応私がプロジェクトマネージャとしてオーサライズすることになっているので、
私がオーサライズしていないと言っている以上正式名称ではありません。
では何がオーサライズされているかというと、Linux Conference 2004で
発表した論文の日本語タイトル 「TOMOYO Linux-タスク構造体の拡張に
よるセキュリティ強化 Linux」における"TOMOYO Linux"は正式名称です。
ただ、タイトルを例外として、プログラムの中で使う関数、モジュール名に
ついては他者に迷惑をかけない範囲で、好きな名称を使って良いし、
機能の名称についてその略称が、既存のキャラクターと一致するくらいの
ことはあっても良いのではないかと考えています。プログラムに
限らなくても自分が好きな作品や人物の名前、あるいはその一部を
使ったりすることはあるわけですし、知る人が見ればわかるくらいの事は
(他者に迷惑をかけない限り)遊び心として許して欲しい気はします。

--
Toshiharu Harada
mailto:harad****@gmail*****



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