長南洋一
cyoic****@maple*****
2015年 4月 25日 (土) 11:20:59 JST
長南です。 原稿の全文を読んでみました。難しいマニュアルですね。翻訳は大変だった ことでしょう。 少し Web で調べて見たところ、すでに翻訳がありました。 http://www.geocities.jp/alpha3166/fontconfig-user_ja.html というもので、Version 2.8.0 の翻訳です。間違えているところもあるかも しれませんし、すこし端折って訳したところもあるようですが、見たところ、 かなり正確な訳ですし、こなれた日本語になっていて、よい翻訳だと思います。 一つの man page に対して複数の翻訳があるのは、よいことです。 それに、原文のバージョンが新しいことは、それ自体価値があります。 しかし、先行する翻訳がある場合、新しい翻訳は、語学的・内容的な正確さや 日本語としてこなれている点で、前の翻訳と同等以上でないと、出す意味が ないと思います。残念ながら、提出してくださった訳は、すでにある訳に ちょっと負けています。 そんなわけですので、今回は発表を見合わせ、ご自分でもう一度 (できたら、 二度、三度と) 見直しをして、訳文を磨いてから、再度投稿していただいた 方が、よいのではないかと思います。 原文にはいくつか不備があります (たとえば、TEST エレメントの ignore-blanks は、説明はあるのに、書式のどこにも存在しません)。おそらく、バージョンが 上がったとき、man page にも訂正が入ると思います。そのときが、翻訳を出す 好機なのではないでしょうか。 もっとも、以上は私の個人的な意見にすぎません。現在の訳文のチェックを してくださる方、訳文を磨き上げて、先行する訳に優るとも劣らないものに 仕上げる手伝いをしてくださる方がいらっしゃれば、話は別です。その場合は、 このまま ML で推敲作業をお続けになればよいと思います。 私にも経験がありますが、新規に翻訳をするとき、先行する翻訳、それも かなりよい訳があるのは、ありがたいような、困ったような、複雑なものです。 たしかに、参考になります。しかし、見れば、どうしても影響されずには 済まないわけで、誰が訳しても同じようになるところはともかく、似ている 箇所がたくさんあれば、著作権上の問題になりかねません。私の場合は、 他人の翻訳は、誤訳のチェックに利用するだけに止めました。その結果、 自分から見ても、あちらの方が上手な訳だなあと思うところがあったりします。 なお、原文には、語学上の問題や、内容について、分からないところが 必ずあるものです。また、どう訳すかに迷うこともあります。そういうときは、 その場で質問なさった方がよいと思います。後でいっぺんに質問しようと 溜めておくと、忘れるものですし、答える方も、一つ一つの方が、 答えやすいものですから。 ついでに、細かいことですが、もう一つ。 「fontconfigはシステム共通の」や「設定モジュールはXMLファイルから」 のような、訳文に英単語が混じる箇所は、句読点の前後以外は、日本語と 英単語 (一般的に言えば、半角文字) の間に空白を置くのが、man page の 翻訳の習慣です。「設定モジュールは XML ファイルから」のように。 なお、半角カッコの場合は、「ascii 文字 (いわゆる半角英数字) の連続」 といった感じにします。 厳しいことを申しましたが、あしからず。 -- 長南洋一