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BIOSの次に、OSを起動してGRUBの設定ファイル「/boot/grub/menu.lst」を編集します。念のため、既存のファイルをバックアップしてから編集しましょう。
$ sudo cp /boot/grub/menu.lst /boot/grub/menu.lst.bak $ sudo vi /boot/grub/menu.lst
menu.lstファイルに加える変更には、大きく分けると、GRUB自体の設定とカーネルパラメータの設定があります。まず、GRUB自体の設定ですが、menu.lstの先頭に以下の2行を追加します。
serial --unit=0 --speed=19200 --word=8 --parity=no --stop=1 terminal --timeout=5 serial console
1行目はシリアルポートの設定で、ボーレート19200bps、8ビット、パリティなし、ストップビット数1という意味です。ボーレートはBIOSの設定値と合わせてください。2行目はOS選択メニューの出力先の指定で、この場合、GRUBの起動時に何もキー操作をしなければ5秒間でタイムアウトしてシリアルポートが選択されます。シリアルコンソールか通常のコンソールで何かキーを操作すれば、操作したほうのコンソールが有効になります。
次にカーネルパラメータの設定を行います。こちらは、kernel行に以下のパラメータを追加します。
console=tty0 console=ttyS1,19200n8r
ここでは、コンソールメッセージの出力先として通常のモニタ/キーボード(tty0)とシリアルポート(ttyS1)の両方を指定しています。「19200n8r」はボーレート19200bps、ノンパリ、8ビット、ストップビット数1)という意味です。こちらもボーレートをBIOSの値に合わせる必要があります。
さて、Ubuntuの場合、kernel行にはあらかじめ以下の2つのパラメータが設定されています。
quiet splash
これらはブート時にカーネルが出力するメッセージを最小限にして(quiet)、グラフィカルなブート画面を使用する(splash)という意味です。どちらもサーバマシンでは無用のオプションなので削除します。
最終的にkernel行の記述は以下のようになりました。
title Ubuntu 7.10, kernel 2.6.22-14-server root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.6.22-14-server root=/dev/mapper/i110Rc-root ro console=tty0 console=ttyS1,19200n8r initrd /initrd.img-2.6.22-14-server
ただしkernel行を修正しただけでは、カーネルをアップデートした際に、カーネルパラメータが修正前のものに戻ってしまいます。これはUbuntuのmenu.lstファイルに以下のような設定が記述されているためです。
## additional options to use with the default boot option, but not with the ## alternatives ## e.g. defoptions=vga=791 resume=/dev/hda5 # defoptions=quiet splash
そこでいちばん下の「# defoptions」の行を以下のように修正します。
# defoptions=console=tty0 console=ttyS1,19200n8r
これでカーネルが更新された場合でも新しいカーネルにシリアルコンソールの設定が引き継がれるようになります。
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